
ホームページのアクセス解析入門!初心者でもサイトの改善点がわかる

「ホームページを作ったけど、アクセス数が伸びない...」「サイトを訪問してくれた人が問い合わせしてくれない...」このような悩みを抱えていませんか?実はその課題の解決の鍵は、あなたのサイトに訪れる人々の行動を正しく理解することにあります。
アクセス解析とは、ホームページを訪れる人々の動きを数値化し、改善に活かすための重要なプロセス。しかし「難しそう」「専門知識が必要そう」と感じて手をつけられていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、アクセス解析の基本から実践的な活用法まで、初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説します。無料で使えるツールの紹介や、具体的な改善事例も盛り込んでいますので、すぐに実践に移せる内容となっています。
アクセス解析とは?
アクセス解析とは、あなたのホームページを訪れた人がどのようにサイトを利用しているかを数値化して分析する方法です。具体的には、以下の情報などを取得可能。
サイトへの訪問者数
どのページが人気なのか
訪問者がどこからやってきたのか
どのくらいの時間滞在したのか
スマートフォンとパソコンのどちらから見られているのか
この情報を活用することで、ホームページやコンテンツの改善点を見つけられます。例えば、特定のページからの離脱が多い場合は内容や構成を見直すなど効果的な対策を講じることが可能になります。
アクセス解析は、商品購入やお問い合わせといった成果(コンバージョン)を妨げている障害を把握することで、それらを改善し売上アップにも直結する重要な取り組みといえるでしょう。
アクセス解析ツールを使ったホームページの改善方法
アクセス解析ツールを使ったホームページの改善方法は以下4ステップです。
定点分析している数値・データを確認
実際にサイトを訪問して改善箇所を見つける
仮説を検証するための分析を実施
ホームページを実際に改善
アクセス解析ツールを活用したホームページ改善は、まず定点分析から始めましょう。セッション数やPV数といった指標の変化を確認することで、サイト全体の状態を把握できます。
次に、数値だけでなく実際にサイトを訪問し、ユーザー目線でホームページの課題を見つけます。例えば、「コンテンツが長すぎて離脱を招いているのでは」「CTAボタンまで到達していないのでは」など、具体的な仮説を立てましょう。
その後、アクセス解析ツールを使って仮説を検証します。例えばスクロール率を分析してCTAボタンへの到達状況を確認したり、ヒートマップツールでクリック位置を視覚的に把握したりできます。
最後に、分析結果に基づいて実際にサイトを改善し、その効果を再度測定してPDCAサイクルを回します。アクセス解析は単なる数値確認ではなく、具体的な改善行動につなげてこそ価値があるのです。
Google Analytics 4(GA4)ホームページのアクセス解析でわかること
今回はGoogle Analytics 4(GA4)を例に、ホームページのアクセス解析でわかる主な情報を紹介します。
流入経路
ユーザー属性
ユーザー行動
関連記事:【プロが指南】Googleアナリティクス(GA4)を使ったアクセス解析の方法とは?
流入経路
アクセス解析では、ユーザーがどのようなルートであなたのホームページに到達したのかという「流入経路」を詳細に把握できます。流入経路の分析は、単にどこからユーザーが来ているかを知るだけでなく、ホームページの集客戦略全体を最適化するための重要な指針となります。定期的に流入経路を確認し、変化に応じて施策を調整していくことで、より効率的なウェブマーケティングが実現できるでしょう。
チャネル別の流入分析
アクセス解析ツールでは、以下のような様々な流入チャネルを確認できます:
Organic Search(自然検索): GoogleやYahoo!などの検索エンジンから自然に流入したユーザー
Paid Search(検索広告): Google広告などのリスティング広告経由でアクセスしたユーザー
Organic Social: FacebookやX(旧Twitter)などのSNSからの自然流入
Paid Social: Instagram広告やFacebook広告などのSNS広告からの流入
Email: メールマガジンや営業メールに記載されたリンクからの訪問
Referral: 他のウェブサイトに設置されたリンクからの流入
Direct: URLの直接入力やブックマークからのアクセス
(not set): 情報が取得できなかったアクセス
具体的な参照元情報
チャネルだけでなく、より詳細な参照元情報も確認できます。例えば:
検索流入であれば「google」「yahoo」「bing」などの検索エンジン名
リファラル流入であれば「example.com」のような具体的なリンク元サイト
SNS流入であれば「facebook.com」、「twitter.com」などのプラットフォーム名
流入経路分析の活用方法
流入経路データを分析することで、以下のような施策に活かせます。
効果的なチャネルへの集中投資: アクセス数だけでなく、コンバージョン率が高いチャネルを特定し、そこへのリソース配分を増やす
弱点チャネルの強化: 競合と比較して流入が少ないチャネルがあれば、その原因を分析して改善策を講じる
SEO戦略の見直し: 検索結果からの流入が少ない場合、キーワード戦略やコンテンツの質を見直す
広告効果の測定: 広告からの流入とコンバージョンを追跡することで、広告投資の費用対効果を正確に把握
ユーザー属性
アクセス解析では、ホームページを訪れるユーザーの属性情報を詳細に把握できます。ユーザー属性の分析は単なる情報収集ではなく、「誰に」「どのように」価値を提供するかを明確にするための重要なプロセスです。定期的に属性データを確認し、サイトの目的とアクセスしているユーザー層のミスマッチがないか検証することで、より効果的なホームページ運営が実現できるでしょう。
把握できる主なユーザー属性
1. 基本的な人口統計データ
年齢層: 18-24歳、25-34歳、35-44歳などの区分ごとの訪問比率
性別: 男性・女性の割合(不明カテゴリも含む)
地域情報: 国別、都道府県別、さらに詳細な市区町村レベルでの訪問者分布
2. 技術的な利用環境
デバイスタイプ: PC、スマートフォン、タブレットの利用比率
OS種別: Windows、macOS、iOS、Androidなどの利用状況
ブラウザ: Chrome、Safari、Firefox、Edgeなどの使用割合
画面解像度: ユーザーが使用している画面サイズ
3. ユーザーの興味・関心
インタレストカテゴリ: 訪問者が関心を持つ分野(アート、スポーツ、テクノロジーなど)
コンテンツの嗜好: よく閲覧するコンテンツのジャンル
ユーザー属性データの活用方法
コンテンツ最適化
特定の年齢層や性別のエンゲージメント率が低い場合、その層に響くコンテンツへの見直しができます。例えば、50代以上のユーザーが多いサイトでは、文字サイズを大きくしたり、ナビゲーションをシンプルにするなどの工夫が効果的です。
デバイス対応の優先順位決定
訪問者の80%がスマートフォンからアクセスしているなら、モバイルファーストのデザイン改善を優先すべきでしょう。逆に、特定の業種ではPCからのアクセスが主流という場合もあります。
地域に応じたコンテンツ展開
東京からのアクセスが多いなら、東京に特化した情報提供が有効です。また、海外からのアクセスが一定数ある場合は、多言語対応を検討する判断材料になります。
ターゲティング広告の精度向上
ユーザー属性データを広告配信の設定に活用することで、より効率的な広告運用が可能になります。例えば、実際の訪問者が30代女性に集中していることがわかれば、広告のターゲット設定もそれに合わせて調整できます。
ユーザー行動
アクセス解析では、訪問者がホームページ内でどのような行動をとったのかを詳細に把握できます。ユーザー行動データを継続的に分析し、改善施策に活かすことで、訪問者の満足度を高め、最終的なコンバージョン率の向上につなげられるでしょう。
閲覧ページに関する情報
アクセス解析では、ユーザーがどのページをどのように閲覧しているかを詳細に追跡できます。
人気ページランキング: 最もアクセス数の多いページを把握することで、ユーザーの関心が高いコンテンツを特定できます
ランディングページ分析: ユーザーが最初に訪れるページを把握し、そのページの直帰率や離脱数を分析することで、サイトへの入口としての適切さを評価できます
ページ閲覧数: 1回の訪問で何ページ閲覧されているかがわかり、サイト内の回遊性を判断する指標になります
離脱ページ: ユーザーがサイトを去る際に最後に見ていたページを特定できるため、なぜそこで離脱したのかを分析する手がかりになります
エンゲージメントに関する情報
訪問者がどれだけサイトに関与したかを示す重要な指標です。
平均滞在時間: ユーザーが各ページにどれくらい滞在したかを計測し、コンテンツへの関心度を把握できます
エンゲージメント率: 全セッションのうち、10秒以上の滞在や2回以上のページビュー、スクロール操作など、積極的にサイトと関わったセッションの割合を示します
スクロール率: ページのどこまでユーザーが読み進めたかを把握でき、重要な情報やCTAボタンが適切な位置にあるか確認できます
クリックデータ: どのリンクやボタンがよくクリックされているかを分析することで、ユーザーの関心や行動パターンを理解できます
コンバージョンに関する情報
最終的な成果につながる行動を詳細に分析できます。
コンバージョン数: 資料請求や商品購入、問い合わせなど、設定した重要なアクションの発生回数を計測します
コンバージョン率: 訪問者のうち、どれだけの割合がコンバージョンに至ったかを示す重要指標です
コンバージョンまでの経路: ユーザーがどのページを経由してコンバージョンに至ったかを分析できる「ファネル分析」も可能です
フォーム完了率: 問い合わせフォームなどの入力途中で離脱する割合を把握し、改善点を見つけられます
ユーザー行動データの活用方法
これらの行動データを分析することで、具体的な改善策を導き出せます。
直帰率の高いランディングページは、ユーザーの期待と内容のミスマッチが考えられるため、タイトルやコンテンツの見直しが効果的です
スクロール率のデータから、重要な情報やCTAボタンが適切な位置にあるか確認し、必要に応じて配置を調整します
特定のページでの滞在時間が短い場合は、コンテンツの質や量、読みやすさを見直す必要があるでしょう
コンバージョンまでの導線で離脱が多いステップがあれば、そのページの使いやすさなどを改善します
アクセス解析の結果をもとにした改善例
Google Analytics 4(GA4)とヒートマップを活用したアクセス解析の改善例を3例紹介します。
流入は多いもののコンバージョンにつながっていない
ターゲット層と異なるユーザーの流入が多い
特定のデバイスからのコンバージョン率が低い
離脱率が高いページが多い
特定のページでの滞在時間が短い
流入は多いもののコンバージョンにつながっていない
Google Analytics 4の「ユーザー獲得」レポートを分析した結果、自然検索からの流入数は多いにもかかわらず、資料請求などのコンバージョン率が著しく低い課題が判明しました。
GA4の「探索」機能で詳しく調査すると、ユーザーは複数のページを閲覧しているものの、CTAボタンまで到達していないケースが多いことが判明。そこで改善策として、GA4のスクロール率とヒートマップツールの分析結果に基づき、コンテンツの中間部分などよく見られている箇所にCTAボタンを追加設置しました。
その結果、新たに配置したCTAボタンからのコンバージョンが増加し、サイト全体のコンバージョン率も大幅に向上。訪問者数はそのままに成果を増やすことに成功しています。
特定のデバイスからのコンバージョン率が低い
Google Analytics 4の「テクノロジー」レポートを分析した結果、モバイルデバイスからのコンバージョン率がデスクトップと比較して著しく低い課題が判明しました。
改善策として、モバイル向けにフォームの入力項目削減、タップしやすいボタンデザインへの変更、フォーム入力のステップ表示の追加、ページ読み込み速度の最適化を実施しました。その結果、モバイルからのコンバージョン率が約3倍に向上し、サイト全体のコンバージョン数も1.5倍に増加。デバイス間の格差を縮小することに成功しました。
特定のページの離脱数が多い
Google Analytics 4の探索機能で分析した結果、特定の商品紹介ページで表示回数に対して離脱数が著しく高いという課題が判明しました。
ヒートマップツールを使用してユーザー行動を調査したところ、ユーザーは商品情報の途中までスクロールするものの、その先にある「購入へ進む」ボタンまで到達せずに離脱しているケースが多いことが明らかになりました。また、ページの読み込み速度が遅く、特にモバイルユーザーの離脱率が高いことも判明しました。
改善策として、ページ上部にも「購入へ進む」ボタンを設置したり、ページの読み込みスピードを短縮しました。これらの改善の結果、該当ページからの離脱率が大幅に減少し、購入ステップへの進行率が向上。特にモバイルユーザーからのコンバージョンが増加し、サイト全体の売上向上に貢献しています。
無料で使えるホームページのアクセス解析ツール4選
無料で使えるホームページのアクセス解析ツールは以下4つです。
Google Analytics 4
Google Search Console
Microsoft Clarity
Google Looker Studio
関連記事:【初心者向け】アクセス解析ツール9選|ツールを使った改善の流れも解説
Google Analytics 4
出典:Google AnalyticsGoogle Analytics(GA4)は、無料で利用できる世界最大級のアクセス解析ツールです。ホームページに訪れるユーザーの行動を包括的に把握できるため、サイト改善に不可欠なツールとなっています。訪問者数やページビュー数といった基本情報はもちろん、ユーザーの属性、流入経路、サイト内での行動パターンまで詳細に分析できます。特筆すべきは、マーケティング効果の測定やコンバージョン分析が可能な点です。例えば問い合わせフォームへの到達率や商品購入といった重要な成果に至るまでの道筋を可視化し、どこに改善余地があるのかを明らかにします。データに基づいた意思決定をサポートすることで、ビジネス成長に直結する施策を導き出せるのがGA4の最大の価値といえるでしょう。
Google Search Console
出典:Google Search ConsoleGoogle Search Console(GSC)は、Googleが無料で提供するWebサイト所有者向けの必須ツールです。サイトのGoogle検索パフォーマンスを監視・最適化する機能を備えており、検索結果でのサイト表示状況を詳細に確認できます。具体的には、どのキーワードでどれだけの表示回数・クリック数があったか、平均掲載順位はどうかといった検索データを提供します。また、モバイルユーザビリティやページの読み込み速度などの技術的な問題点も指摘してくれるため、SEO改善に直結する洞察が得られます。さらに、インデックス登録状況の確認やサイトマップの送信機能も備えており、新しいコンテンツをGoogleに素早く認識させることができます。検索流入を増やしたいサイト運営者にとって、データに基づいた効果的なSEO戦略を立てるための必須ツールと言えるでしょう。
Microsoft Clarity
出典:Microsoft ClarityMicrosoft Clarityは、ユーザーがあなたのホームページをどのように利用しているかを視覚的に理解できる無料のアクセス解析ツールです。通常の数値データだけでは見えない「実際の訪問者の行動」を録画やヒートマップで確認できるため、どこで迷っているのか、どの部分に関心があるのかが一目瞭然になります。例えば、訪問者がクリックしようとして諦めた箇所や、スクロールせずに見落としている重要情報を発見できるため、デザインやコンテンツの具体的な改善点が明確になります。特に技術知識がなくても直感的に使えるインターフェースなので、ホームページの効果を高めたいすべての方におすすめです。Googleアナリティクスと併用することで、より効果的なサイト改善が可能になります。
Google Looker Studio
出典:Google Looker StudioGoogle Looker Studioは、ホームページのアクセスデータを視覚的に美しいレポートに変換できる無料のデータ可視化ツールです。Google AnalyticsやSearch Consoleなどから収集した複雑なアクセスデータを、グラフやチャートを使って誰にでも理解しやすい形で表示できます。特に経営層や関係者へのレポート共有に最適で、定期的なサイト分析結果を自動更新するダッシュボードとしても活用できます。複数のデータソースを組み合わせることで、訪問者数の推移と売上の関係性など、ビジネスに直結する洞察を得られるのが強みです。技術的な知識がなくても直感的な操作で、データに基づいたホームページ改善の意思決定をサポートします。
まとめ
ホームページのアクセス解析は、サイト訪問者の行動を数値化・可視化することで、効果的な改善策を導き出す重要なプロセスです。本記事で紹介したGoogle AnalyticsやSearch Console、Microsoft Clarityなどの無料ツールを活用すれば、初心者でも流入経路・ユーザー属性・行動パターンといった多角的なデータを簡単に収集できます。
重要なのは「定点分析→実際のサイト確認→仮説検証→改善実施」のサイクルを継続的に回すことであり、この過程でデバイス別のコンバージョン率や特定ページの離脱率などの課題を特定し、具体的な改善に繋げることができます。
ただし、アクセス解析データを正しく解釈して効果的な施策に結びつけるには、専門的な知識が不可欠です。「アクセス解析を最大限に活用したい」「専門知識がなく自社だけでは対応が難しい」という場合は、専門家に相談することも検討してみてください。
コンマルクでは、数百万PV〜数億PVのメディア構築実績を持つ専門家集団が、貴社のホームページ改善やアクセス解析の活用を強力にサポートします。戦略策定から具体的な改善施策の実施まで、ワンストップでご支援いたします。
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