SEOにおける検索ボリュームの目安や調べ方は?おすすめツールや選定の流れを解説
SEO施策において、検索ボリュームは非常に重要な指標のひとつです。適切なキーワードを選定して効果的なコンテンツを作成するには、正確に検索ボリュームを把握することが欠かせません。
ただし、単に検索ボリュームの大きさだけにとらわれてコンテンツを制作しても、成果につなげることは難しいでしょう。SEOで集客したユーザーをお問い合わせや購入に導くには、Webサイトの状況や目的に適したキーワードを選定することが大切です。
この記事では、SEOにおける検索ボリュームの重要性やおすすめツール、検索ボリュームを活用したキーワード選定の流れについて解説します。
SEOで重要な検索ボリュームとは?
検索ボリュームとは、「検索エンジンで特定のキーワードが1か月間にどれだけ検索されたか」を示す数値です。
この指標は、SEO戦略を立てるうえで非常に重要な役割を果たします。検索ボリュームを把握すればキーワードの需要を知ることができて、上位表示された際の流入数を予測することができるためです。
また、SEOの難易度を推測したり成約率を予測したりするときも、検索ボリュームが役立ちます。検索ボリュームはWeb戦略の基盤となるものなので、コンテンツを制作するときは必ず最初に調査を行いましょう。
SEOの詳細については、こちらの記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
関連記事:マーケティングにおけるSEOの役割とは?判断軸や他施策との使い分けを紹介
SEO施策で狙うべき検索ボリュームの目安
検索ボリュームは、大きく以下の3つの種類に分類されます。
ビッグキーワード
ミドルキーワード
スモールキーワード(ロングテールキーワード)
それぞれの特徴を理解し、自社の目的やWebサイトの状況に合わせて適切なキーワードを選定しましょう。
ビッグキーワード
ビッグキーワードは、検索ボリュームが非常に大きいキーワードを指します。一般的に、月間検索数が10,000回以上のキーワードがビッグキーワードに該当します。
ビッグキーワードの特徴は、多くの流入が狙える反面、競争率が高く上位表示が難しい点です。また、キーワードによっては大手企業や権威性の高いサイトが上位を独占していることがあるため、新規サイトや中小企業にとってはハードルが高い可能性があります。
ミドルキーワード
ミドルキーワードは、ビッグキーワードとスモールキーワードの中間に位置するキーワードです。月間検索数が1,000〜10,000回程度のキーワードが、ミドルキーワードに該当します。
ミドルキーワードの特徴は、比較的安定した検索需要がある点です。そこそこ競争率が高いものの、適切に戦略を立てれば上位表示を狙える可能性があり、中小企業やニッチな分野でもSEO施策を成功させやすい傾向にあります。
スモールキーワード(ロングテールキーワード)
スモールキーワードは、検索ボリュームが小さいキーワードです。一般的に、月間検索数が1,000回未満のキーワードがこのスモールキーワードに該当します。スモールキーワードのなかでも、3語以上の長い検索キーワードは「ロングテールキーワード」と呼ばれます。
スモールキーワードの特徴は、競争率が低く上位表示を狙いやすい点です。また、ユーザーの具体的なニーズが反映されているので、成約につなげやすいというメリットがあります。
一つひとつの検索ボリュームは小さいものの、スモールキーワード全体の流入を合計すると、大きな集客につながります。特に、新規サイトやニッチな市場を狙いたい場合に有効な戦略となるでしょう。
SEOにおける検索ボリュームの調べ方
検索ボリュームは、ツールを利用すると簡単に調べられます。おすすめのツールは、次の5つです。
Googleキーワードプランナー
ruri-co
Ubersuggest
aramakijake.jp
ahrefs
ここでは、各ツールの特徴についてみていきましょう。
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Google広告の管理画面から利用できるツールです。月間平均検索ボリュームや入札単価、競合性などを確認できます。
Googleキーワードプランナーの使い方は、次のとおりです。
Google広告のアカウントを作成する
Google広告にログインする
「ツール>キーワードプランナー」を選択する
「新しいキーワードを見つける」を選択する
調べたいキーワードを入力して「開始する」をクリックする
キーワードプランナーのメリットは、広告を配信していない方でも無料で利用できる点と、Googleが提供する信頼性の高いデータを得られる点です。ただし、広告配信していない場合は「1万~10万」というように、おおよその検索ボリュームしか表示されません。
ruri-co
ruri-coは、SEO・コンテンツマーケティング記事の企画ツール「tami-co」の調査結果から得られたデータをもとに検索ボリュームを調べられる無料ツールです。
特徴的なのは、検索キーワードと類似するキーワードや、競合サイトが対策できていないキーワードも調べられる点です。狙っているキーワードの検索ボリュームを調べられるだけではなく、今後対策していくべきキーワードやコンテンツ制作のヒントも得られます。
使い方は非常に簡単で、調査キーワードを入力して「調査」をクリックするだけです。ブラウザ上で利用できて検索回数の制限もないので、気軽に使える点がうれしいポイントです。
Ubersuggest
Ubersuggestは、キーワードの検索ボリュームやサジェストキーワード、上位表示の難易度などを調べられるツールです。競合調査やキーワード候補、コンテンツアイデア、被リンクデータなど、SEO施策で重要度の高いさまざまなデータを得ることが可能です。
トップページの「ドメインかキーワードを入力」に調査したいキーワードを入力して「SUBMIT」をクリックすると、調査が開始されます。無料で利用することもできますが、回数や機能に制限があるため、多くのキーワードを調査したい場合は有料会員になる必要があります。
aramakijake.jp
aramakijake.jpは、ブラウザ上で利用できる無料の検索ボリューム調査ツールです。Googleだけではなく、Yahoo! JAPANの検索数も調べられます。また、入力したキーワードにおける競合サイトの「月間推定検索数」「月間検索アクセス予測数」「現在の順位」を調査することも可能です。
非常にシンプルなツールでありながら、具体的な数値を調べられるところが大きなメリットです。ただし、1つずつしかキーワードを調べられないので、手間がかかってしまう点に注意しましょう。
ahrefs
ahrefsは、世界で60万人に導入されているSEO分析ツールです。検索ボリュームはもちろんのこと、想定流入キーワードやSNS上の反応、競合サイトの被リンクなどを分析することも可能です。
自社サイトの改善点や、競合の戦略を把握したい企業に役立つ機能が豊富に搭載されています。ただし、有料ツールなので検索ボリュームだけを調べたい方には向いていません。
SEO施策で検索ボリュームを確認するときの注意点
SEO施策を実施するにあたって検索ボリュームを調べるときは、以下のポイントに注意が必要です。
検索ボリュームの大きさだけにとらわれない
検索ボリュームは季節やトレンドによって変動する
検索ボリュームが0でも対策すべきキーワードがある
どのようなことなのか、詳細をみていきましょう。
検索ボリュームの大きさだけにとらわれない
検索ボリュームはたしかに重要な指標ですが、絶対的なものではありません。「とにかく検索ボリュームが大きいキーワードを狙えばよい」ということではないので注意が必要です。
検索ボリュームが大きいキーワードは競争も激しいため、必ずしも優先的に取り組むべきとは限りません。むしろ、自社の強みや特徴を活かせるスモールキーワードを優先したほうが、成果につながりやすいケースもあります。
また、検索意図についてもしっかりと把握することが大切です。「ユーザーが何を求めて検索しているのか」を理解して、自社サイトや商材と相性のよいキーワードを選んでいきましょう。
検索ボリュームは季節やトレンドによって変動する
検索ボリュームは常に一定なものではなく、季節やトレンドによって大きく変動することがあります。
例えば、「水着」というキーワードは夏に向けて検索ボリュームが増加し、冬になると減少することが一般的です。また、社会情勢や技術の進歩によっていきなり注目度が高まるキーワードもあります。
このような変動も考慮に入れて、一年間を通じて対策すべきキーワードを把握しましょう。すでにWebサイトを運営した実績がある場合は、過去数年間のデータを分析してみることもおすすめです。
検索ボリュームが0でも対策すべきキーワードがある
検索ボリュームが0と表示されるキーワードは、一見すると対策の必要がないように思われるかもしれません。しかし、検索ボリュームがないキーワードのなかにも、対策すべきものはあります。
例えば、独自のサービス名やこれから注目を集めるであろう新しい技術など、まだ一般的ではないキーワードが一例として挙げられます。検索ボリュームが少なくても、「将来的に検索される回数が増える可能性があるキーワード」は対策しておくべきです。
また、コンバージョンに直結するキーワードも対策しておくことがおすすめです。自社のビジネスにとって重要なキーワードは、検索ボリュームにかかわらず取り組みましょう。
検索ボリュームを軸としたSEOキーワード選定の流れ
効果的なSEO戦略を立てるには、検索ボリュームをもとにしたキーワード選定を行う必要があります。具体的なキーワード選定の流れは、次のとおりです。
メディアの方向性を決める
メインのキーワードをピックアップする
複合キーワードをリストアップする
キーワードの検索ボリュームを調査する
キーワードに優先順位をつける
ここでは、各プロセスのポイントを紹介します。
1. メディアの方向性を決める
まずは、メディアの方向性を明確にしましょう。
メディアで何を達成したいのか
誰にどのような情報を届けたいのか
ターゲットとなる読者はどのような情報を求めているのか
自社が提供できる価値は何か
上記のような、メディアの軸となる部分を具体的に考えておきましょう。この段階で方向性を明確にしておくことで、このあとのキーワード選定がスムーズになります。
また、自社の強みや独自性を活かせるテーマをみつけることも重要です。自社だからこそ提供できる価値を把握できていると、競争率が低い一方でコンバージョンに直結しやすいキーワードを発見しやすくなります。
2. メインのキーワードをピックアップする
メディアの方向性が決まったら、次にメインとなるキーワードをピックアップします。「SEO」「マーケティング」など、自社のビジネスや提供サービスを端的に表現する1語のキーワードを選びましょう。
抽象的な意味を持つキーワードを選定することになりますが、現時点ではそれで構いません。
重要なのは、自社のターゲットが検索しそうな言葉を選ぶことです。また、競合他社のキーワード戦略を参考にしながら、独自性を出せるキーワードを探ってみることも大切です。
3. 複合キーワードをリストアップする
メインキーワードが決まったら、それをもとにして2〜3語の複合キーワードをリストアップしましょう。ビッグキーワードは競合が多いので、まずはライバルが少ない複合キーワードを狙って対策していく戦略が一般的です。
複合キーワードのリストアップには、Google検索の関連キーワードや、キーワードサジェストツールが役立ちます。検索画面上に表示される「他の人はこちらも質問(PAA)」も、ユーザーニーズを把握するヒントになります。
自社商材やサービスの特徴、ターゲットユーザーの課題なども考慮しながら、幅広くキーワードをリストアップしていきましょう。
4. キーワードの検索ボリュームを調査する
この記事で紹介したツールを使って、リストアップしたキーワードの検索ボリュームを調査します。
検索ボリュームを調べるときは、YMYLカテゴリーに関連するキーワードに注意が必要です。YMYLは「Your Money or Your Life(あなたのお金や人生)」の略で、金融や健康、法律などに関する分野を指します。
これらの分野は、Googleが特に高い品質基準を設けているため、上位表示させることが難しい傾向にあります。そのため、安易に狙うことはおすすめできません。
5. キーワードに優先順位をつける
最後に、調査結果をもとにキーワードに優先順位をつけます。
SEO戦略では、まずはスモール・ミドルキーワードの個別記事を作成していくアプローチが一般的です。そして、そのあとにメインとなるカテゴリーページへの評価も高めていきます。
具体的には、難易度の低いロングテールキーワードで30〜50記事を作成して内部リンクで導線を整えつつ、検索エンジンからの評価を集めてサイト全体の評価を高めます。その後、徐々により競争の激しいビッグキーワードへと対策範囲を広げていくのです。
専門的な内容の個別記事(クラスターコンテンツ)で獲得したSEO評価を、ビッグキーワードの記事(ピラーページ)に集約する戦略を「トピッククラスター」と呼びます。個別ページを内部リンクで繋いで戦略的にコンテンツをまとめることで、コンテンツ群やサイト全体の評価向上を狙いやすくなります。
関連記事:【初心者向け】SEOにおけるキーワード選定とは?役立つツールやポイントを徹底解説
適切な検索ボリューム調査でSEO効果を高めよう
検索ボリュームは、SEO戦略を立てるうえで欠かせない重要な指標です。
しかし、単に検索ボリュームの大きさだけにこだわっていては、上位表示を目指すことはできません。検索ボリュームをひとつの指標として活用しつつ、Webサイトの状況や目的に合わせて戦略を立てることが大切です。
ただし、検索ボリュームをもとにしたSEO戦略の立案やコンテンツ制作には、専門的な知識が不可欠です。また、検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しているので、効率的なSEO施策を希望している方は、コンテンツマーケティングの専門家に相談したほうがよいかもしれません。
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