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コンテンツマーケティングのKPIを設定する手順|目的別の具体例や管理のポイント

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目次

コンテンツマーケティングを成功させるには、KPIを設定してプロジェクトの進捗度合いを正確に管理することが欠かせません。企業がコンテンツマーケティングを実施する目的や、アプローチしたいユーザー層によって追うべきKPIは異なるので、「自社にとって重要な指標」を把握することが大切です。

この記事では、コンテンツマーケティングのKPI設定手順と重要指標の具体例を解説します。ぜひ、課題発見や目的達成のヒントにしてみてください。

コンテンツマーケティングのKPIとは?

KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)とは、最終的な目的(KGI)の達成度合いを測るために設定する評価指標です。ゴールに辿り着くために必要な「中間目標」だと考えるとわかりやすいかもしれません。

以下では、KPIが重要となる理由や関連用語との違いについて詳しくみていきましょう。

コンテンツマーケティングでKPIが重要な理由

コンテンツマーケティングでKPIが重要な理由として、以下の5つが挙げられます。

  • 目標達成に必要なアクションを明確化できる

  • 施策の優先順位を決めやすくなる

  • 進捗状況を正確に把握できる

  • 課題を発見しやすくなる

  • チーム全体で目標を共有できる

KPIは、最終的な目的を達成するために必要な要素を分解して、具体的な数値目標に落とし込んだものです。そのため、KPIを設定することで行うべき施策を整理しやすくなります。

また、KPIがあれば施策の方向性や成果を評価できる点もメリットです。数値化された指標があれば進捗状況を正確に把握でき、改善のために素早くアクションできるようになります。

関連用語との違い

ここでは、KPIと一緒に押さえておきたい関連用語について説明します。

KGIとは

KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)は、企業やプロジェクトが最終的に達成すべき目標を示す指標です。KPIは、KGIを達成するために必要な中間指標であり、KGIはKPIの積み重ねによって成り立っています。

例えば、「年間売上高10億円」というKGIがあった場合は、「月間CVR3%」「月間リード獲得数500件」などがKPIとして設定されます。

OKRとは

OKR(Objectives and Key Results)は、「目標」と「目標の達成に必要な具体的な成果」を組み合わせたフレームワークです。KPIでは具体的な数値目標を設定するのに対して、OKRでは「達成したい目標(Objectives)」と「主要な成果(Key Results)」をセットで設定する点が特徴です。

OKRは意欲的な目標設定を推奨しており、最終的な達成率が60~70%の達成でもよいとされています。一方でKPIは、必ず達成すべき具体的な数値目標を設定するという違いがあります。

KSFとは

KSF(Key Success Factor:重要成功要因)は、KGI達成のために重要となる要素や条件です。KPIが定量的な数値目標であるのに対し、KSFは定性的な成功要因という違いがあります。

具体的な例を挙げると、それぞれの指標は以下のように設定されます。

  • KGI:年間売上1億円を達成する

  • KSF:顧客満足度の向上

  • KPI:リピート率を20%向上させる、月間クレーム数を10件に抑える など

KSFは数値ではなく言語で表現され、内部・外部環境を整理することで導き出されるものです。KGIとKPIをつなぐものがKSFだと考えるとわかりやすいでしょう。

コンテンツマーケティングのKPIを設定する手順

コンテンツマーケティングのKPI設定は、以下の5つの手順で進めます。

  1. KGIを明確にする

  2. KGI達成に必要な要素を整理する

  3. KPIに優先順位をつける

  4. 具体的な数値・スケジュールに落とし込む

  5. KPI達成のために戦略を立てる

ここからは、各ステップの詳細を説明します。

1. KGIを明確にする

まずは、コンテンツマーケティングで最終的に達成したい目的(KGI)を具体的に決めましょう

例えば、以下のようなKGIが考えられます。

  • ECサイトの月間売上300万円を達成する

  • オウンドメディア経由の新規契約数を1年間で50%増加させる

  • 指名検索数を50%増加させる

  • マーケティングROIを50%改善する

このときに重要となるのが、経営目標と整合性の取れたKGIを設定することです。「なぜそのKGIを達成する必要があるのか」「達成によってどのような価値が生まれるのか」を明確に説明できないKGIは、見直しが必要かもしれません。

2. KGI達成のために必要な要素を整理する

KGIが決まったら、その達成に必要な要素を分解・整理していきましょう

KGI達成のためには、複数のKPIが必要になることが一般的です。例えば、KGIが「ECサイトの月間売上300万円を達成する」の場合は、以下のようなKPIが考えられるでしょう。

  • 月間サイト訪問者数10万を目指す

  • 商品詳細ページ閲覧率20%を達成する

  • 再訪問率を30%に高める

KGIを達成するために必要なKPIを特定する作業は、フレームワークを活用すると効率的に行えます。ここでは、おすすめのフレームワークを3つ紹介します。

KPIツリー

KPIツリーとは、KGIを達成するために必要な要素を階層的に分解して、樹形図(ロジックツリー)で可視化するフレームワークです。

例えば、「ECサイトの月間売上300万円を達成する」というKGIの場合は、必要な要素を次のように分解できます。

KGI

KPI

KPI

具体的な施策

ECサイトの月間売上300万円を達成する

月間訪問者数10万を目指す

自然検索経由の流入を前月比10%増加させる

既存コンテンツのリライト

SNSエンゲージメント率を5%以上にする

フォロワーの分析と発信情報の見直し

商品詳細ページ閲覧率20%を達成する

商品紹介ページの滞在時間を2分以上にする

商品紹介ページの内容を充実させる

商品レビュー掲載率を80%以上にする

既存顧客にレビュー依頼をする

このように、段階的に要素を分解することで、KGI達成に必要なKPIと具体的な施策が明確になっていきます。

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは、顧客が製品・サービスを認知してから購入に至るまでの行動や心理を時系列で可視化するフレームワークです。「認知→興味→検討→購買→リピート」の各フェーズで、「顧客が何を考え・どのように行動するのか」を整理することが可能です。

段階ごとに細分化してユーザー理解を深めていくので、提供すべき情報や最適なタッチポイント、課題などを把握しやすくなり、最適なKPI設定に役立ちます。また、ンテンツを通じて各段階の顧客心理へ適切にアプローチできているかについて、評価・改善するときも便利です。

マーケティングファネル

マーケティングファネルは、潜在顧客が徐々に絞られていく過程を整理するフレームワークです。認知段階ではもっとも人数が多く、行動へ進むにつれて人数が減っていくため、漏斗(ファネル)という名称がついています。

ファネルが進むごとに対象者は減少しますが、購買意欲は高まっていきます。各段階で確保しておきたい人数や有効な取り組みを整理していくことで、KPIを設定しやすくなるでしょう。

3. KPIに優先順位をつける

次に、KPIに優先順位をつけましょう

ここまでに設定したKPIのすべてを同時に管理することは、現実的ではありません。KPIが増えるほど進捗を管理しにくくなりますし、なかには優先度が低いものや成果に直結しにくいものも含まれているためです。

KGIへの影響度や測定の容易さを考慮したうえで、「本当に取り組むべきKPI」を見極めましょう。

優先度が高いKPIの特徴は、次のとおりです。

  • KGIの達成に直接的な影響を与える

  • 数値の測定や進捗管理を行いやすい

  • チームで共有・理解しやすい

  • 改善アクションのハードルが低い

例えば、「ブログのPV数」は簡単に測定できるKPIですが、それだけではKGI達成への貢献度がわかりません。一方で「資料ダウンロード数」は、商談獲得に直結しやすい指標なので、優先度は高くなります。

4. 具体的な数値・スケジュールに落とし込む

優先順位が決まったら、KPIを具体的な数値目標とスケジュールに落とし込みます

例えば、KGIが「ECサイトの月間売上300万円を達成する」の場合、以下のような数値目標とスケジュールが設定できます。

目標達成期間

具体的な数値目標

6か月後

  • サイト月間訪問者数を8,000人まで増やす

  • 新規会員登録数を400人/月まで伸ばす

  • 平均購入単価を5,000円まで向上させる

3か月後

  • サイト月間訪問者数を5,000人まで増やす

  • 新規会員登録数を250人/月まで伸ばす

  • 平均購入単価を4,000円まで向上させる

1か月後

  • サイト月間訪問者数を3,000人まで増やす

  • 新規会員登録数を150人まで伸ばす

  • リピート率を20%まで改善する

毎週管理

  • 商品ページへの流入数

  • カート追加率

  • 購入完了率

このように、数値だけではなく期限も設定することで、いつまでに何をすべきかが明確になり、必要なKPIを逆算しやすくなります

ただし、実現が難しい目標は、チームのモチベーション低下を招くおそれがあります。現状の実績や市場環境をふまえ、現実的な目標設定を心がけましょう。

5. KPI達成のために戦略を立てる

最後に、設定したKPIの数値スケジュールをふまえて、取り組むべき具体的な施策を見極めていきましょう。KPIの設定や達成のための戦略を立てるときは、「KGI達成のための長期的な視点」と、「目前のKPIを達成するための短期的な視点」の両方が必要となります。

この際、目の前のKPI達成に集中しすぎることで、目的と手段が入れ替わってしまわないように注意しましょう。常に「このKPIがどのように目的達成に貢献するのか」を意識することが重要です。

コンテンツマーケティングで重要になるKPI

コンテンツマーケティングのKPIは、ターゲットとなる顧客のフェーズに応じて設定することが重要です。ここでは、各フェーズで重要になる代表的なKPI指標を紹介します。

なお、オウンドメディアやコンテンツ品質の改善に有効な施策は、こちらの記事で紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

関連記事:オウンドメディアを改善する方法15選|PV数・検索順位など課題別に解説

リード獲得

認知度向上やリード獲得段階で重要になるKPI指標は、次のとおりです。

  • 記事PV数

  • セッション数

  • 直帰率

  • 平均滞在時間

  • 資料ダウンロード数

  • メルマガ登録数

  • SNSフォロワー数

このフェーズでは、いかに多くの潜在顧客にリーチし、関心を持ってもらえるかが重要となります。上記指標の改善には、ターゲット層のニーズをふまえたコンテンツ制作と、適切な導線設計が有効です。

リード育成

リード育成や関係強化の段階で重要になるKPI指標は、次のとおりです。

  • コンテンツの読了率

  • サイト再訪問率

  • 関連コンテンツの閲覧数

  • 問い合わせ数

  • 商談設定率

  • メルマガの開封率

  • メルマガのクリック率

ここでは、獲得したリードの質を高めて、購買意欲を醸成する指標が大切です。顧客の検討状況に応じたコンテンツの提供、自然な流れで商談や成約につなげる導線設計に力を入れましょう。

顧客獲得

商談や成約につなげる段階で重要になるKPI指標は、次のとおりです。

  • 商談実施数

  • 商談成約率

  • 成約までの平均期間

  • 顧客獲得コスト(CAC)

  • 初回購入単価

  • 売上高

  • ROI

マーケティング活動のROIを直接的に測れるタイミングなので、コストに関する指標を積極的に活用していきましょう。

また、メディア運用部門だけではなく営業部門との連携も重要です。コンテンツの質と営業プロセスの整合性が成約率を大きく左右するので、緊密に連携しながらターゲットにアプローチしていくことが大切です。

リピート・LTV向上

リピート購入やLTVの最大化を目指す段階で重要になるKPI指標は、次のとおりです。

  • リピート率

  • 解約率

  • クロスセル率

  • アップセル率

  • 顧客満足度

  • NPS®(顧客推奨度)

  • LTV(顧客生涯価値)

上記のような指標を活用して既存顧客の満足度を高められると、ロイヤルカスタマーが育成されて、安定的な収益基盤を構築しやすくなります

オウンドメディアで既存顧客向けのコンテンツやコミュニティを提供するほか、カスタマーサクセス部門と連携して、顧客の成功事例をコンテンツ化する取り組みも有効です。

関連記事:導入事例を制作するメリットや効果とは?魅力的な記事の作り方やポイントを紹介

コンテンツマーケティングのKPIを設定・管理するときのポイント

コンテンツマーケティングのKPIを設定・管理は、以下の2つのポイントを意識するとより成功させやすくなります。

  • 定量的に計測できる指標にする

  • 定期的にKPIを見直す

どのようなことなのか、詳細をみていきましょう。

定量的に計測できる指標にする

KPIは、客観的に評価・分析できる指標にする必要があります。

例えば、「認知度を上げたい」「満足度を向上させたい」と定性的な目標を設定しても、人によって達成の基準が異なるため、共通認識を持つことはできません。また、進捗管理も困難になります。関係者全員が正しく進捗を把握できるよう、具体的な数値として測定できる指標を設定しましょう

また各KPI指標は、以下のようなツールを活用すると正確に測定しやすくなります。

ツールの種類

主な機能

Googleアナリティクス

(アクセス解析ツール)

サイトの訪問者データ分析

SEOツール

検索順位や流入キーワードの把握

MAツール

リード育成の効果測定

CRMツール

顧客の属性や行動の計測

上記のようなツールを活用すれば、データ収集や分析の工数を削減できるので、改善のための戦略立案により多くの時間を割けるようになります。

定期的にKPIを見直す

KPIは、「一度設定したら終わり」というわけではありません。内部・外部環境の変化や達成度合いに応じて、内容を調整することをおすすめします。

KPIの見直しを検討すべき具体的なタイミングとして、次のような一例が挙げられます。

  • 事業環境や市場の変化があった

  • 新しい施策やツールを導入した

  • 目標との乖離が大きい

  • より適切な指標が見つかった

  • チーム体制が変わった

KPIの見直しは、少なくとも3か月に1回は行うことをおすすめします。

ただし、短期間で頻繁に変更することは避けましょう。あまりにも評価期間が短い場合、施策の成果を正確に測定できなかったり、チームの混乱を招いたりするおそれがあるためです。

短期的な数値の変動に一喜一憂してKPIを変更すると、本来目指すべきKGIから乖離してしまう可能性があるので、一定期間計測したうえで判断してください。

コンテンツマーケティングのKPIについて相談するならコンマルク

コンテンツマーケティングを成功させるには、適切なKPIを設定し、継続的な改善を行うことが重要です。

KPIを設定するときは、KGIから必要な要素を逆算して、優先順位をつけながら具体的な数値目標に落とし込んでいく必要があります。また、顧客の購買プロセスに応じた段階的なKPIを設定し、定期的な見直しと改善を行うことも大切です。

コンテンツマーケティングのKPI設計には、マーケティングに関する深い知見が必要になります。そのため、自社で対応することが難しいケースは珍しくありません。

KPIの設定や管理でお悩みの企業は、ぜひコンマルクにご相談ください。

コンマルクは、数百万PV~数億PVのメディア構築実績を持つGIGのメディア編集部が運営するコンテンツマーケティング支援サービスです。自社で培ったナレッジをもとにKPIの設定から改善までを支援し、コンテンツマーケティングを成功に導くお手伝いをいたします。

また、各種Webマーケティング施策やWebコンサルティングの実施にも対応しています。コンテンツマーケティングの効果を最大化したい企業は、お気軽にコンマルクまでご相談ください。

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