SEOの目標設定をする手順について解説!重要な指標と気をつけたいポイントとは
SEO施策で成果を出すには、適切な目標設定が不可欠です。「検索順位を上げたい」「アクセスを増やしたい」と思いコンテンツを増やすだけでは、SEO評価を高めることはできません。
SEO施策の投資対効果を最大化するには、しっかりと目標を立てたうえで、改善を繰り返しながら計画的に取り組むことが重要です。
この記事では、SEO戦略における目標設定の重要性や具体的な手順について解説します。おすすめの指標や成功のコツも紹介するので、これからSEOを始める企業はぜひ参考にしてみてください。
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SEO戦略で目標設定が重要な理由
SEO戦略で目標設定が重要な理由として、以下の4つが挙げられます。
投資対効果を測定するため
施策の方向性が合っているかを確認するため
課題を発見・改善するため
チームで共通認識を持つため
SEO施策には、コンテンツ制作や内部・外部施策など、多くのコストや時間がかかります。やみくもにメディアを運用しているだけでは投資対効果や成果を確認できないので、目標を設定して、ゴールまでの進捗や方向性が正しいかどうかを確認する必要があるのです。
また、目標値と実績値を比較すれば課題を発見しやすくなるため、効率的な改善にもつなげられるでしょう。
加えて、SEO施策はすぐに成果が出るものではありません。長期的な取り組みが不可欠なので、関係者全員が同じ認識を持って取り組むことが大切です。目標を共有することで、チーム全体で一貫性のある施策を実施しやすくなります。
SEO戦略の目標を設定する手順
SEO戦略の目標を設定するときは、以下の4つのステップで進めていきましょう。
KGIを設定する
KGI達成に必要なKPIをリストアップする
KPIの目標値を設定する
KPI・KGIの測定方法を確認する
各ステップの詳細を説明します。
1. KGIを設定する
まずは、SEO施策で最終的に達成したい目標「KGI(Key Goal Indicator)」を設定しましょう。KGIは、企業やサイトの目的に応じて設定することが大切です。
KGIに用いられる指標の一例としては、次のようなものが挙げられます。
ECサイト:売上、購入件数
リード獲得が目的のサイト:問い合わせ数、資料請求数
メディアサイト:広告収益、会員登録数 など
重要なのは、サイトの目的や事業戦略と紐づいたKGIを設定することです。「とりあえずPV数を増やしたい」といった漠然とした目標では、事業の成長には結びつきにくいことを理解しておきましょう。
2. KGI達成に必要なKPIをリストアップする
KGIが決まったら、それを達成するために必要な中間目標「KPI(Key Performance Indicator)」をリストアップしましょう。
必要なKPIを見極めるためには、「KPIツリー」を作成することがおすすめです。KPIツリーとは、KGIを頂点として、それを達成するために必要な指標を階層的に整理する図です。KGIからKPIを分解していくことで、必要な施策が明確になり、より具体的な行動計画を立てられます。
例えば「売上1,000万円」というKGIがある場合、「平均購入単価」と「購入件数」というKPIに分解が可能です。さらに「購入件数」は「CVR(コンバージョン率)」と「PV数」に分解でき、「PV数」は「検索順位」「インデックス数」といったKPIへと展開できます。
3. KPIの目標値を設定する
KPIを洗い出せたら、それぞれの具体的な目標値を設定しましょう。目標値を設定するときは、「SMARTの法則」を意識してみてください。
SMARTとは、以下の5つの要素の頭文字を取ったものです。
Specific(具体的か)
Measurable(測定可能か)
Achievable(達成可能か)
Relevant(関連性があるか)
Time-bound(期限が明確か)
例えば「PV数を増やす」ではなく、「3か月後までに月間PV数を現状の5,000から1万まで増やす」というように、具体的な数値と期限を設定しましょう。また、現状の実績や市場環境をふまえて、現実的に達成可能な目標を設定することも重要です。
4. KPI・KGIの測定方法を確認する
最後に、設定したKPI・KGIをどのように測定するのかを確認します。
この際、Google AnalyticsやSearch Consoleなどの分析ツールを使用することが一般的です。指標によっては、専用の分析ツールが必要になることもあります。
データ測定の準備をするときは、以下のポイントをチェックしておきましょう。
必要なツールは導入されているか
データの取得漏れはないか
測定の頻度はどうするのか
誰が測定を担当するか
「いつ・誰が・何の指標を確認するのか」というルールを明確にしておくことが大切です。また、コンバージョンの計測設定や外部ツールとの連携が必要な場合は、事前にテストして正しく動作することを確認しておきましょう。
SEOの目標設定におすすめの指標
SEO戦略の成功には、目標設定時に正しく指標を選択することが重要です。
SEOの目標設定に適している主な指標は、大きく以下の3つのカテゴリーに分類できます。
流入に関する指標
ユーザー行動に関する指標
コンテンツに関する指標
ここでは、それぞれの詳細をみていきましょう。
流入に関する指標
流入に関する指標は、サイトの集客力を評価する基本的な判断材料になります。ユーザーがどのようにサイトにアクセスしているかを把握して、SEO施策の効果を測定しましょう。
具体的に、次のような指標の活用がおすすめです。
検索順位:特定のキーワードでの検索結果における自社サイトの表示順位
インデックス数:Googleに認識されているページの数
PV数:サイト内のページが閲覧された回数
セッション数:ユーザーの訪問回数
UU数:訪問したユーザーの数
上記の指標を改善するには、戦略的なキーワード戦略と、各キーワードの検索意図をふまえた高品質なコンテンツ制作が重要となります。また、Googleのクローラーがサイト内を巡回しやすいように構造を最適化することも重要です。
コンテンツを定期的に更新して情報の鮮度を保つことで、検索エンジンからの評価を向上させやすくなるでしょう。
ユーザー行動に関する指標
ユーザー行動に関する指標は、サイトを訪れた人がどのように情報を閲覧して、どのようなアクションを取っているかを示します。これらの指標を分析することで、コンテンツの価値や導線の最適性を評価できます。
具体的に、次のような指標の活用がおすすめです。
クリック数:リンクがクリックされた回数
回遊率:1回の訪問で複数のページを閲覧したユーザーの割合
CV数:購入や問い合わせなど、目的とする成果の達成回数
シェア数:SNSなどでコンテンツがシェアされた回数
ユーザー行動の指標を向上させるには、ユーザーの導線を意識したサイト設計が重要です。関連記事やおすすめ商品などのリンクを適切に設置して、次に見てほしい情報へ誘導しましょう。
また、アンカーテキストの内容やCTAの配置や表現を工夫したりするだけで、サイト内での回遊を向上させられる可能性があります。何度もA/Bテストを繰り返し、よりユーザーの行動を喚起できるコンテンツに仕上げていくことが大切です。
コンテンツに関する指標
コンテンツに関する指標を用いると、サイトが提供している情報の質と量を評価できます。ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供できているかを判断する基準にしましょう。
具体的に、次のような指標の活用がおすすめです。
コンテンツ数:サイト内の記事や商品ページなどの総数
平均滞在時間:ユーザーがコンテンツを読んでいる時間
直帰率:1ページだけ見て離脱した割合
離脱率:特定のページで離脱したユーザーの割合
被リンク数:他サイトからリンクされている数
コンテンツの指標を改善するには、ユーザーのニーズや課題に応えられる質の高い情報を提供することが何よりも重要です。見出しや段落の最適化や読みやすい文章を心がけることで、ユーザーの滞在時間を延ばすことができます。
被リンク数を増やしたい場合は、自社の強みを活かした独自性や専門性の高い情報を発信して、外部メディアやSNSでの露出を増やすことが有効です。直帰率が高い場合は、「検索キーワードと記事の内容がマッチしているか」「ユーザーの期待に応えられているか」を見直してみましょう。
SEOの目標設定を成功させるコツ
成果につながるSEOの目標設定をするには、以下のようなポイントが重要になります。
根拠にもとづいて目標を決める
サイトのフェーズに合わせて設定する
達成までの期間を明確にしておく
サイトの目的を見失わない
具体的なアクションもセットで設定する
定期的に見直す
それぞれどのようなことなのか、詳細をみていきましょう。
根拠にもとづいて目標を決める
「1万PVを目指したい」「50件のCVが欲しい」など、なんとなくで目標を設定することは避けましょう。根拠のない目標を立てても、「実際に実現可能なのか」「どのように実現すればよいのか」を判断することはできないためです。
目標を設定するときは、過去の実績や市場規模、競合の状況などをしっかりと分析する必要があります。明確な根拠を持ったうえで実現可能な目標値を設定することで、チームのモチベーションを高められますし、着実に成果を積み上げやすくなります。
サイトのフェーズに合わせて設定する
サイトの成長フェーズによって、重視すべき指標は変化します。
例えば、新規サイトを立ち上げた段階では、コンテンツ数や検索順位、PV数などコンテンツや流入に関する基本的な指標を重視するとよいでしょう。ある程度サイトが成長した段階では、コンバージョンや収益に関する指標へと重点をシフトしていくとよいかもしれません。
各フェーズで適切な指標を選ぶことで、より実態に即した目標設定が可能になります。今のフェーズで重要な目標が達成できたら、次のステップを見据えた新しい指標を設定していきましょう。
達成までの期間を明確にしておく
目標設定をするときは、数値だけではなく達成までの期間も明確にしてください。期限を明確にしておくことで、「いつまでに何をすればよいか」「必要なリソースはどれくらいか」を判断しやすくなります。
期間を設定するときは、目標の性質や難易度、必要な工数なども考慮しましょう。
例えば、新規コンテンツの作成本数を指標にする場合は、短期的な目標設定でも問題ありません。一方で、検索順位やドメインの評価に関する指標は、中長期的な視点で設定する必要があります。
サイトの目的を見失わない
SEO施策を進めるうちに、手段と目的が逆転してしまうことは珍しくありません。目の前の数字を追うあまり、サイトの本当の目的を見失ってしまうことがないように注意しましょう。
例えば、サイトの目的が「問い合わせの獲得」なのに、PV数や検索順位の向上だけに注力してしまうケースが考えられます。
数値の改善は重要な取り組みではありますが、それはあくまでもサイトの目的を達成するための手段でしかありません。目標を設定するときは、常に「この指標を改善して何を実現したいのか」という前提条件を念頭に置きましょう。
具体的なアクションもセットで設定する
目標を設定しても、それを実現するための具体的なアクションが明確になっていなければ意味がありません。目標と一緒に、「どのような施策で達成を目指すのか」についても決めておきましょう。
例えば「3か月で月間PV数を2倍にする」という目標を立てる場合は、以下のようなアクションプランもセットで立てる必要があります。
コンテンツ作成の具体的なスケジュールは?
内部リンクはどのコンテンツに設置する?
テクニカルSEOはいつ実施する?
SNSや外部メディアからの流入施策はどうする?
このように、実施しなければいけない施策を具体化しておくことで、目標達成への道筋が明確になります。
定期的に見直す
SEOの目標設定は、「一度行って終わり」ではありません。定期的に効果測定して達成度合いを把握するだけではなく、目標の内容や取り組みのペースが今のままでよいのかを定期的に見直すことが大切です。
目標を見直すときのポイントは、以下のとおりです。
目標値やKPIの組み合わせは適切か
施策は計画通り進んでいるか
市場環境やトレンドに変化はないか
市場ニーズや進捗度合いをふまえ、必要であれば目標を修正してもかまいません。また、「なぜ達成できなかったのか」「なぜ達成できたのか」を分析することで、より効果的な目標設定が可能になります。
SEOの目標設定はサイトの成果を左右する重要なプロセス
SEO施策において、適切な目標設定はSEO施策の成否を大きく左右する重要なプロセスです。漠然とした目標ではなく、根拠にもとづいた具体的な数値目標を設定して、実現可能なアクションプランと組み合わせることが大切です。
また、目標設定は一度行えばよいというものではありません。定期的に効果測定と見直しを実施して、状況に応じて柔軟に修正していく必要があります。
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